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2012/11/28

GRAVITY DAZE 感想


PSVITAお薦めのソフトは何か?という質問で必ずと言っていいほど挙がるのがこのGRAVITY DAZEだ。当初、期待値の割にはあまり新規タイトルのキラーソフトが無かったPSVITAにとっては多方面からの過剰な期待の込められた作品だった。それは発売後PS Storeの高評価が異常に増えた事にも窺える。この現象は、PSVITAを所有する私にも納得できる事であり、推測するに、多くのPSVITAオーナーがPSVITAに成功して欲しいという願望の現れだろう。つまり、多くのPSVITA所有者が現状に失望していたということだ。
私はそんなことくらいでは失望するほど若くない(DreamCast,GameCubeの失敗を経験してきた)ので、 日本ゲーム大賞受賞で安くなったときに手に入れた。

このゲームは重力、つまり落ちる方向を自由に変えることで、空間を自由自在に飛び回る事ができるのが特徴だ。この重力を操るというゲーム性が私にはそこまで気持ちいいものには感じられなかった。いいゲームの特徴としてよく言われるものに、触っているだけで気持ちいいというものがある。このゲームも触っているだけで面白くなりそうなんだが、そうでもない。こればっかりは個人の趣味趣向だと言われるかもしれないが、楽しくなりそうでならないことの理由も少しは説明できそうなのだ。
人間の感情を揺さぶるには、常に刺激を与えているよりも穏やかなタメの部分も重要である。例を挙げれば、ジェットコースターは最初ゆっくりと上がっていくタメの部分があるからこそ下りの刺激を増幅してくれる。今作は最初期から自由自在に空を飛び回れるのでカタルシスがないのだ。

まあ、だからといってつまらないわけじゃない。奥歯にものがはさまった感じの面白さは保証できる。主人公のキトゥンもそこそこかわいい。純粋でもなくすれてるわけでもなく中途半端なのもこの作品らしい。
だが、街のあちこちにあるミッションはいただけない。ミッション自体はヴァリエーションが少ないもののよく練られて面白く、それこそ、タイムアタックにはカタルシスがある。しかし、繰り返し挑戦することが確定しているはずのゲームデザインなのにロードがアホみたいに長くて何度も挑戦しようという気にならない。オープンワールドで、そこそこの人数の住民もうろうろしているからロードが長いのかもしれないが、グラフィックの割に長いローディングは許容しづらいものだ。同じPSVITAの「アサシンクリード3 レディリバティー」の方がグラフィックは凝ってるのにロードは短いのだから。

私もPSVITAというハードウェアが好きだし、成功してもらいたい。PSVITAは所有すればその良さが解り、こいつとは長く付き合っていきたいと思わせるゲーム機である。しかし、そういったPSVITA所有者の想いが強すぎて犠牲になってしまうゲームが出てくるのは避けたいところだ。過剰な評価と期待の重力に押しつぶされないことを願ってブラッシュアップされた続編を待とう。

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